ビットコインの安全な取引に必要な「6承認」とは?

ビットコインの取引について、安全な取引を行うためには「6承認」や「6確認」をとることが必要とされています。今回は、「6承認」とは一体何のことで、なぜ必要なのかについて説明します。

「6承認」が必要な理由

ブロックチェーンのしくみ」で説明したように、ビットコインをはじめとする仮想通貨のブロックチェーンは容易に改ざんできない仕組みになっており、安全性が保たれています。

ブロックチェーンについて復習すると、仮想通貨の取引は、その取引記録(トランザクション)を含むブロックがブロックチェーンに追加されて初めて正当なものとして認められ、このプロセスを「承認」と呼びます。

ブロックの承認には膨大な計算を要するうえ、この計算は一部分のブロックだけで完結するものではなく、第1番目のブロックから最新のブロックまで計算上整合性がとれる形で結び付いています。

そのため、過去のある時点の取引記録を書き換えようとすると、それ以降すべての計算を書き換える必要があるため、不正な改ざんは、過去にさかのぼるほど難しくなります。

このことから、次のようなことが言えます。

  • 自分の取引記録が含まれるブロックの後にほかのブロックが追加されるほど、自分の取引記録の改ざん・無効化などのリスクは小さくなる
  • 最新のブロックほど、改ざん・無効化などのリスクがある
自分の取引記録を含むブロックがブロックチェーンに追加されていなかったり、追加されて間もない状態であったりする場合は、改ざんや無効化といったリスクがゼロではないことを理解しておかなければなりません。

では、「取引記録をネットワークに送信後、どれくらい待てば安心してよいのか?」という問題に対して、目安とされているのが「6承認(6確認)」なのです。

「6承認」とは

自分の取引を記録したトランザクションが他のトランザクションと共にブロックにまとめられ、そのブロックがブロックチェーンに追加されると、第1の承認を得たということで「1承認」と呼ばれる状態になります。

その後、次のブロックがあとに続いて追加されると、自分のブロックを含めて2つ目の承認を得られ「2承認」の状態となります。

このように新たにブロックがブロックチェーンに追加されるごとに自分の取引記録の承認数が上がり、自分の取引記録を含むブロックのあとに5つのブロックが追加されると「6承認」の状態となります。

この「6承認」の状態になれば、取引記録が改ざん・無効化される可能性は十分に低く、ほぼ安全であると言われています。

承認数の確認方法

自分の取引の承認数を確認するには、ブロックエクスプローラを利用します。

ブロックエクスプローラとは、各仮想通貨のブロックチェーンの記録を検索・閲覧することができるWebサービスです。ビットコインのブロックエクスプローラとしては、日本語にも対応しているBlockchain.infoなど、いくつかのサービスがあります。

ここでは、仮想通貨販売・取引所ビットフライヤーが運営するブロックエクスプローラ「chainFlyer」での確認方法を紹介します。

chainFlyerにアクセスすると次のような画面になります。上から次々と落ちてくるひし形のオブジェクトがリアルタイムに送信されるトランザクション(取引記録)を表していて、下の方に並ぶボックスがブロックチェーン上のブロックを表しています。一番右の黒いブロックは、「Genesisブロック」と呼ばれるビットコインブロックチェーンの第1番目のブロックです。

自分の取引の承認数を確認するには、画面中央の検索欄に自分の取引のアドレス(トランザクションハッシュ)を入力して検索を実行します。

すると、その取引の承認ステータスや送信額などを確認することができます。

上のトランザクションは「未確認」となっています。これはまだどのブロックにも格納されていない状態ということです。

しばらくして再度確認すると、先ほどのトランザクションのステータスは「2確認」と表示されていました。これはこのトランザクションがブロックにまとめられてブロックチェーンに追加され、さらに別のブロックがその後に追加されて「2承認」の状態になったということです。しかしまだ「6承認」の状態にはなっていないため、「未確定」と表示されています。

さらにその後しばらくすると「6確認」と表示され、「未確定」の表示が消えました。これで「6承認」を得られたことになり、この取引の改ざん・無効化などの可能性は無くなったと言ってよい状態です。

この後もブロックチェーンにブロックが追加されるごとに承認数は増えていき、それに伴ってこの取引記録が改ざん・無効化される可能性はどんどん低くなっていきます。

6承認は毎回必要なわけではない

ビットコインの取引の承認には約10分かかる仕様になっているため、6承認を得るためには約60分かかることになります。

ただし、全ての取引で6承認をとることが必須というわけではありません

現時点でビットコインの技術的概要を最も体系的にまとめた文書として有名な「Mastering Bitcoin」(Andreas M. Antonopoulos著)には、次のように書かれています。

「承認は、トランザクションがBitcoinネットワーク全体に受け入れられたことを保証しますが、このように待つことはコーヒー一杯のような少額の商品には必要ありません。」
「店舗側は、承認がない場合でも、いつも彼らが受け入れている個人IDや署名がないクレジットカードよりリスクが大きくないなら、有効な少額のトランザクションを受け入れるでしょう。」

– “Mastering Bitcoin Open Edition” in Japanese

「Mastering Bitcoin」の日本語翻訳版PDFは、下記リンク先の「“Mastering Bitcoin Open Edition” in Japanese」から閲覧可能です。

Mastering Bitcoin – Translations

上記の引用のように、小額のやり取りであれば、毎回注意深く6承認をとることを確認する必要はありません。

6承認をとることが推奨されるのは、例えばビットコインで高額の代金の払い込みを受けて商品を発送する場合などです。このような場合には、入金のトランザクションについて6承認を確認し、確かに入金が行われたということが確定してから商品の発送を行うことが推奨されます。

また、ビットコインのチェーンから分岐して新たな仮想通貨が誕生した場合などにも、しばらくの間は新通貨の取引について6承認を確認するよう、各取引所が通知を出すことがあります。

6承認は、このように確実を期したい高額な取引の場合や、できたばかりの通貨で安全性・信頼性に不安がある場合などに、必要に応じて行うとよいでしょう。