マウントゴックス事件とは何だったのか

日本国内では、「ビットコイン」や「仮想通貨」と聞くと、「Mt.Gox(マウント・ゴックス)事件」を連想して「何となく怪しい、危ない」というイメージを持つ人が多いようです。

しかし、「Mt.Gox事件」とは何だったのか、正確に理解している人は少ないのではないでしょうか。


Mt.Gox事件の概要

Mt.Gox(マウント・ゴックス)社は、2010年からビットコインに関する事業を始めた企業です。創業者はジェド・マケーレブ氏という人物ですが、2011年にフランス出身のマルク・カルプレス氏という人物に事業が売却されました。


このカルプレス氏の経営のもとで、事件は起こりました。


2013年4月には、Mt.Gox社は世界最大のビットコイン交換所として、世界のビットコイン取引量の70%を占めるまでに成長していました。

しかし同年11月には、顧客への払い戻しが数週間から数カ月遅延していることが報じられています。2014年2月25日からMt.Gox社は全ての取引を停止し、利用者は自分の資金を引き出すことができなくなってしまいました。


そして同月28日、Mt.Gox社は東京地裁に民事再生法の適用を申請します。顧客の保有する75万BTCと自社保有分の10万BTC(当時のレートで480億円相当)、および利用者からの預かり金およそ28億円が消失しており、同社は「これらの消失によって負債が急増し、債務超過の状態にあると判断した」としていました。


およそ28億円もの資産の消失というこの事態について、Mt.Gox社は当初「システムの不具合を悪用した不正アクセスが行われ、ビットコインが盗まれた可能性が高い」と説明していました。


しかし捜査の結果、経営者カルプレス氏が顧客からの預かり金を着服・私的に流用していた疑いが浮上し、2015年8月、カルプレス氏は業務上横領の容疑で逮捕されます。


ビットコインの信頼性との関わりは?

上記のように、現時点までの捜査によれば「Mt.Gox事件」とは「経営者による横領事件」とされており、ビットコインや仮想通貨のシステム上の欠陥などが原因ではありません。


しかし、被害額が400億円以上と非常に大きかったことなどから大々的に報じられ、また当時は現在以上に「ビットコイン」や「仮想通貨」が人々にとって馴染みのないものであったことから、「安全性の低い仮想通貨だから、こんなことが起こるのでは」というイメージが作られてしまうことになりました。


「Mt.Gox事件」で仮想通貨の信頼性が揺らぐわけではないことは、銀行と法定通貨の関係を例に考えると非常にわかりやすくなります。


もし銀行で行員が顧客の預金を着服する事件が起こり、顧客の資産の日本円が失われたとしても、だからといって「日本円という通貨は危ない」ということにはならないでしょう。


「Mt.Gox事件」も同様で、ビットコインや仮想通貨のシステムに問題があったわけではなく、取引事業者に問題があったというのが真相のようです。


同様の被害に遭わないためには?

法定通貨であろうと仮想通貨であろうと、預けていた資産が失われるリスクはゼロではありません。仮想通貨の取引においてこのような被害に遭ってしまうのを避けるためには、利用する業者を注意深く選択することが重要です。


「Mt.Gox事件」を踏まえて、日本では2017年4月から施行された「仮想通貨法」により、仮想通貨の交換業者は登録制となりました。


また、利用者の財産を保護するため、交換業者が利用者から預かった資金等と事業者の資金等とを明確に分別管理することや、その管理状況について年1回以上の外部監査を受けることも義務付けられました。

仮想通貨法とは?

2017.11.21

仮想通貨の交換業者を選ぶ際には、登録済みの業者であるかどうかを一つの判断材料とし、それぞれの安全性に関する取り組み等について十分調べることが大切です。

10月6日現在の登録業者
  • 株式会社マネーパートナーズ
  • QUOINE株式会社
  • 株式会社bitFlyer
  • ビットバンク株式会社
  • SBIバーチャル・カレンシーズ株式会社
  • GMOコイン株式会社
  • ビットトレード株式会社
  • BTCボックス株式会社
  • 株式会社ビットポイントジャパン
  • 株式会社フィスコ仮想通貨取引所
  • テックビューロ株式会社