期待が高まる「ビットコインETF」と市場に与える影響とは?

ETF(上場投資信託)などの電子取引所であるアメリカのNYSEアーカ取引所が、米証券取引委員会(SEC)にビットコインETFの上場を申請しました。

アメリカで同様の申請が相次いでいると報じられており、関係者の間ではビットコインETFの認可が近いのではないかとの期待が高まっています。

ETFとは?

ETFとは「上場投資信託Exchange Traded Fund)」 のことで、投資信託が取引所に上場されて誰でも売買できるようになったものです。

投資信託とは、投資家から集めた資金を専門家が運用し、その成果が投資家に還元されるという仕組みです。

ETFと投資信託は、上場しているかどうかという点に違いがあります。投資信託は非上場ですが、ETFは上場しており、取引所が開いている時間であればいつでも、そのときの市場価格で取引ができます。

ETFには様々な種類があり、それぞれ日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)など、特定の指数に連動するようになっています。この点では投資信託のインデックスファンドとよく似ています。

ただし投資信託が非上場で1日1回算出される基準価格で取引されるのに対して、ETFは取引所に上場しており、取引時間中であればいつでもリアルタイムな市場価格で取引できることから、取得方法は株式と同じであると言えます。
 

ビットコインETFの課題

上記のようにETFとは特定の指数に連動する金融商品であり、何らかの指数や参照価格を必要とします。

これまでにもアメリカで複数のビットコイン関連ETFが計画されましたが、米証券取引委員会(SEC)はそれらの申請を却下してきました。そこには「ビットコインの参照価格をどうするか」という問題がありました。

これまでビットコインを取り扱う取引所は多数存在したものの、それらは私設の取引所であり、各社で価格が異なっていたため、「ビットコインの価格」の基準ははっきりしませんでした。このように「参照価格を定めることが困難である」ということが、ビットコインETFがこれまで認可されなかった大きな要因であると言われています。
 

ビットコイン先物上場でETF認可が現実味を帯びる

しかし今月、アメリカで大きな進展がありました。シカゴ・オプション取引所(CBOE)とシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)という2つの取引所における、相次ぐビットコイン先物取引のスタートです。

米シカゴ・オプション取引所(CBOE)でビットコイン先物スタート、現物価格も押し上げ

2017.12.11

米大手CMEでビットコイン先物取引スタート

2017.12.19

この2つの取引所はアメリカ大統領直轄の政府機関である米国商品先物取引委員会(CFTC)による認可を受けており、これらの取引所でついたビットコインの価格は「ビットコインの正式な参照価格」としての有効性を帯びると見られます。

有効な参照価格が存在することになるのであれば、これまで参照価格の不透明性から却下されてきたビットコインETFがついに認可される可能性があるのではないかと期待されているのです。
 

ETFが認可されれば機関投資家の本格的な参入も

加えて、ビットコインETFが認可されれば、ビットコイン取引市場への機関投資家の本格的な参入も期待されます。

アメリカで公的な認可を受けてのビットコイン先物取引がスタートしたものの、機関投資家による市場への参入は小規模なものにとどまっていました。なぜなら、投資信託などにおいては基本的に長期での運用が行われるため、先物のような期限付きの商品は機関投資家の投資対象としては不向きであったからです。

先物取引とは、あらかじめ決められた将来の期日に、特定の商品や証券などを特定の価格で売買する約束をする取引です。あらかじめ定めた取引の期日が先物取引の期限であり、期限が到来すれば自動的に決済が行われます。

現時点でビットコイン取引市場に参加しているのは多くが個人投資家であると言われています。その背景には「公的機関等が正式に認可した取引所で取引でき、かつ期限付きでない投資対象がなく、機関投資家が参入しにくい」という事情がありました。

ビットコインETFが認可されればその状況が変わり、機関投資家の本格的な参入が進むことが期待されます。機関投資家の資金が流入すれば、市場はさらに盛り上がりを増していくでしょう。